ストーリー
怪奇現象の頻発、集団失踪、カルト集団の結成。
ニュースはいつもの暗い話だ、特に面白くもない。
街を歩く人々は皆、ゆっくりと近づいてくる終末から目を逸らしていた。
そんな世界でごく普通に学校に通う日々を生きる青年があなただ。
あなたは白と呼ばれる女性と暮らしていた。
白はあなたにとって無償の愛をくれる母であり、不器用で頼りない姉であり、厳格で清廉な師匠であり、かけがえのない家族だった。
二人で買い物に行ったり、勉強を教えてもらったり、料理を一緒に作ったり、白との生活はなんでもないささやかなものだったがそれでも幸せだった。
そして、白は血廻想起者としてあなたを護るために最後の戦いに向かった。
もう一度、白と会いたい。
その思いに答えるように、あなたの前に時読みの少女達が現れた。
「【星宿の白】はまだ生きています、彼女のためにも、どうか……、世界を救ってください。」
自分は最後の想起者であり、最強の血廻想起者になりうる存在だという。
迷いはなかった。
その日、あなたは【血廻想起者】となった。
『時読みの少女達は未来を見通す事が出来る、彼女達が神話的狂気による厄災を予知した時、【血廻想起者】が生まれるのさ。』
【星宿の白】と呼ばれる当代の血廻想起者はあなたにそう話した。
あなたの一族は、はるか昔、時読みの少女達と呼ばれる存在と盟約を結び、血に神秘を得て【想起者】と呼ばれるようになったという。
そして時読みの少女達は厄災を止めるため想起者を選び赤い契告書を渡す。
契告書を渡された想起者は血廻想起者と呼ばれ、厄災を止めるために戦うのだ。
この赤い契告書にはかつて戦った血廻想起者の遺志が宿っており、血を捧げる事でその力を得ることが出来る。この血脈の力で強大なる神話的狂気に抗い、戦いを繰り広げてきた。
『多くの強き血廻想起者が戦って……、いなくなった。ああ、そうだな。私では無理かもしれんが、おまえならあるいは……』
最強と謳われた当代の血廻想起者【星宿の白】が、あなたを見つめる目はいつも優しい。
故に彼女は悩む、自分を越えうる存在である最後の想起者であるあなたをどう守り抜き、どう育てるかを。
そして最愛の家族であるあなたに託し、いつ血廻想起者としての責務を果たすかを。