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コラム

シエラのエースプランナーが教授!!企画書に書くべき三つの要素!

夏も暑くなってきており、自分のような引きこもりデザイナーには辛い時期です。

みなさんは如何お過ごしでしょうか?夏の暑さに負けぬよう熱い気持ちでコラムを進めていきましょう。

さてさて、今回はブラッドリコールの制作が決まった時のことを話していきたいと思います。

オオタユウ流企画書作成法

まず、制作を開始する上で一番大切なのは企画書ですよね。

私は企画書をあまり丁寧に書かないのでお見せできるモノはあまりないのですが、この辺もちょっと思い出しながら自分の勉強もかねて振り返っていきたいと思います。

まず、企画書で重要なのは

  • 予算
  • 制作納期
  • 人員配置

この三つを明確化するところから始まりますが…、そんなお話してもゲーム制作の面白い話にならなさそうです!
なので面白そうなところだけつまみ食いしながら話しましょう。

オオタユウ

専門的な説明は投げちゃいます、【桜井政博のゲーム作るには】など偉大な先人のゲームデザイナーの方が丁寧に説明していらっしゃるので是非、そちらをご参考にご確認ください。

企画書を書くうえで私はまずシナリオライターとしての自分を大切にしています、私はシナリオを書くためにアナログゲームを作っているといっても過言ではありません。

オオタユウ

キャラクターゲームクリエイターの方に以上のお話すると同意される方がとても多いです!世界観って最高!

ブラッドリコールの草案を当時からだらだらと【クトゥルフ神話】をベースに書いていました。

オオタユウ

一方でシナリオライターとしては、制作チームが何よりも一番大切だと思っています、ですので制作チームが楽しめて盛り上がれるような物語を書くように気を付けています。

そんな中、本作のプロデューサーのZUMEさんがフリーランスでお仕事を受けたいとお話されていた時期だったので、ZUMEさんに本作のプロデューサーをシエラゲームズとしてお願いしようと私は考えていました。

創作の原動力は興味

そうなると大切なのはZUMEさんが何に興味があるか?という事です。

オオタユウ

興味は作品の本質だと私は思います、好きな物でないと創作は色々と苦しいのです…!

恐る恐るクトゥルフ神話ってZUMEさん、知っていますか?と聞いたところ、興味はあるがあまり知らないとの回答を貰い、大いにショックを受けました…!!

しかし、マジック:ザ・ギャザリングなど、クトゥルフ神話をリスペクトした作品群を多く遊ばれていたので困難が予想された情報の共有はすぐに終わり、制作が開始してからも苦労はなかったです。

オオタユウ

この辺りで企画の方向性を考え直す良い切っ掛けになったのだと思います。企画段階のチームのモチベーションは企画の成功を左右すると強く思います。

さらに企画書の完成のために、ZUMEさんの好きなモノのリサーチがシエラゲームズの中で始まりました。

『アナログゲームなら何が好きですか?』『漫画やアニメなら何が好きですか?』など連日、お時間を頂き色々な興味を聞かせて頂きました。

知り合いとはいっても別の文化圏から来たもの同士なので、制作をする上で共通する好きな作品探しをするのが大切だと考えたのです。

そんな中、一番しっくりきたのが、『デジタルゲームでシナリオが好きなゲームってありますか?』にZUMEさんが答えたペルソナ3が好きですね!』という回答でした。

これは幻想遊戯団もペルソナシリーズが好きな人が多く、私も大好きな作品の一つだったので、すぐに制作の指標として取り入れて企画書をつくろうというお話になりました。

そしてZUMEさんのアートディレクションが生きる【おしゃれでかっこいいクトゥルフ神話】の企画書を書こう!とチームの方向性が決まった瞬間でもありました。

そして私はペルソナ3の企画書の形跡を探しを始め、設定資料集の読み直しやインタビューの纏めを読むことでより深みとリスペクトのある企画書を書こうと試みました。

本作の企画書はさすがにチェ・ゲバラの顔は表紙を飾りませんでしたが、エゴの煮凝りが詰め込まれた企画書のような怪文として未だにブラッドリコール制作ディスコードの中にあります。

あまりの黒歴史ぶりに自分で読んでも目まいがしますが、何かを決める時はその情熱を忘れないために今でも必ず読み返すようにしています。

そんな企画書から始まったブラッドリコールが今、皆さんの手元にあるのです。

驚きですね…!さてブラッドリコール拡張の企画書もいい黒歴史になるために頑張らなくては…!

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