無間の紫
無間の紫
没年 1961年
紫の一族は血を【薬】に変え多くの人々を救ってきた。
無間の紫にとって一族の生き方は誇りであり、他者の笑顔が自分の笑顔だと信じていた。
だが、もはや彼女の笑顔は嘘である。
【契告書】を受け取り神話的狂気と戦い続けた無間の紫の精神はとうに限界を迎えていた。
彼女の高潔な精神は神話的狂気による背徳と狂気の世界に冒され濁り果てている。
それでも無間の紫は自らの正気を保つために、かりそめの笑顔を浮かべ死地へと赴く。
彼女を動かす理由はただ一つ、救えなかった人々の死を弔う【復讐】である。
トツカマヂチ
無間の紫が医療器具として作った人器、十束の糸と針で構成されている。
無間の紫はこの人器に血をにじませる事で、【薬】を作り多くの人命を救った。
だが、戦いの狂気に巻き込まれれば、この人器は無間の紫とともに変貌する。
薬で癒す【針】は生命を奪う毒の牙となり、傷を治す【縫合糸】は救えなかった罹患者を切り裂く血の凶器へと変わった。
医師とリコーラー、救うものでありながら殺すものでもある彼女の生き方は、命を想うこの人器と共にあった。